世界中の物価が高騰している中、カンクンも物価が半年ごとに上がっています。そしてチップの金額も例外ではありません。今回はカンクンのチップ最新事情としてご案内しますので是非ご旅行前にチェックしておいてください！

■メキシコってチップ文化があるの？

メキシコにはアメリカと同様にチップの習慣があります。レストラン、ホテルのポーター、ベッドメイキング、送迎、ツアー、マッサージ、スーパーのレジ、トイレ掃除…など様々な場所でチップを払うシチュエーションに出会います。外出前には必ずチップ用の現金を持参するようにしておきましょう。

■メキシコではチップは給料よりも高い？！

メキシコではチップが貰えるものとしてお給料を想定されています。その為、サービス業の賃金は最低賃金しか会社から払われておりません。最低賃金だけでは、物価の高いカンクンではとてもじゃないですが生活費を払うことが出来ません。彼らにとってチップというのは生活費の半分以上を占めている非常に大事なものです。

■メキシコシティとカンクンのチップ相場は違う？

同じメキシコ国内でもメキシコシティとカンクンでは物価が全然違います。カンクンはメキシコの中で最も物価が高いとされ、メキシコシティに比べて家賃やタクシー代など約1.5倍ほど値段が違います。その為、チップの相場も異なりメキシコ人でさえもビックリするほどです。例えばメキシコシティでのレストランではチップ10％ですがカンクンのレストラン（特にホテルゾーン）では最低15％が常識です。カンクンに最も多く訪れるアメリカ人は最低20％を払っています。メキシコとはいえ「カンクンは違う」という認識を持つようにしましょう。

■こんなに違う？日本人の常識とカンクンの常識

日本人とメキシコ人の間に、チップに対して大きな差があるように感じます。例えば、日本人はとても良いサービスを受けた時にチップを払うという考えを持っている方が多いようです。その為、普通のサービスを受けた場合はチップを払わない方が多いです。おそらく日本人にとっては「当たり前」レベルなんだと思います。

メキシコ人はごくごく普通のサービスを受けた時でもチップを払います。なんなら少し悪い対応だったとしても少しはチップを払います。つまりサービスの「質」で判断するという前に料理をテーブルに運ぶという「動作」をしてくれたことにチップを払うのです。そこから店員の態度や料理が出てくる時間によってチップの料金を判断します。

■チップを払わないシチュエーションってどんな時？

カンクンでチップを払わない場合は、店員が酷いサービスをしてお客が店員にクレームを出したものの、謝罪がなく店長の態度も悪かった…などという最悪の場合にする行為となります。日本人はついつい「あ、小銭ないからチップなしでいっか！」という軽い気持ちでやりがちですが、店員にとっては何かとんでもない事をしてしまったのか、後からクレームの電話が入ってくるんじゃないかとビクビクさせてしまう事態になります。大袈裟に聞こえるかもしれませんが1回のクレームで仕事をクビにされる事はメキシコでは起こるんです。さらに貴重な生活費が一切得られないので精神的にも金銭的にもかなり大きなダメージを与える事になります。

■カンクンに住む日本人スタッフにもチップを！

カンクンに住む日本人のほとんどが観光業に携わっています。ホテルコンシェルジュ、日本食レストランのウェイトレス、ダイビングインストラクター、フォトカメラマン、ツアーガイドなどです。彼らは日本人ですが住んでいる環境や働いている条件はメキシコ人と全く同じです。レストランであればその日のチップはメキシコ人ウェイトレス仲間と分配しますし、ツアーガイドであればメキシコ人ドライバーと分配します。ついついチップはメキシコ人の為のものと思われがちですが、カンクンに住む日本人にとってもチップは大事な生活の支えであることご理解頂ければ幸いです。

■チップに使える通貨って？

カンクンではメキシコペソとアメリカドルの両方を日常的に使っています。その為、チップも両方使えます。必ず細かいお金を事前に用意しておきましょう。

・メキシコペソ・・・10ペソ硬貨、20、50、100、200ペソ札を用意しておきましょう。
・アメリカドル・・・1、5、10、20ドル札を用意しておきましょう。

■チップを払うタイミングは？

・ポーター：荷物をお部屋まで届けてくれた後ポーターが部屋を出る時に直接現金払い
・レストラン：食後の会計時に現金もしくはカード払い
・ツアーガイド、インストラクター、フォトグラファー、ドライバー：ホテルや港に到着した時、解散する時に直接現金払い
・スパ：マッサージが終わった後に直接現金払いもしくは部屋付け払い
・ベッドメイキング：お部屋を外出する際に枕の上に現金払い

■チップの相場ってどれくらい？

メキシコは物価が安いからこれ位で十分だろうと思い、プライベートツアー終了後に日本人ガイドに20ペソを渡された方がいました。20ペソだと600㎖のコーラが1本飲める位です。日本で旅館へ行った時に心づけとして仲居さんに200円渡すような感じでしょうか。これだと返ってマナー知らずで恥をかいてしまいますので事前にチップの目安を確認しておきましょう。

・送迎

・混載送迎：約3～5ドル/名(約50～100ペソ）
・プライベート送迎：約5ドル～10ドル/組（約100～200ペソ）

・ツアー

・混載ツアー：ツアー代金の10～15％
・プライベートツアー（ 1日）：ツアー代金の10～15％

・ホテル

<エコノミーホテル>

・ベッドメイキング：約3ドルもしくは50ペソ/部屋
・ポーター：約5ドルもしくは100ペソ/部屋
・スパのマッサージ師：お支払い金額の約10％/回

＜高級ホテル＞
・ベッドメイキング：約5ドルもしくは100ペソ/部屋
・ポーター：約10ドルもしくは200ペソ/部屋
・スパのマッサージ師：お支払い金額の約15％/回

・レストラン

・レストラン（ダウンタウン）：　お支払い金額の約15％～
・高級レストラン（ホテルゾーン）：　お支払い金額の約20％～

・その他

・フォトカメラマン：　お支払い金額の約10％
・貸切クルーザーのボートキャプテン：約15～20％

■手元に大きなお札しかない！どうすればいい？

・ホテルのレセプションでチップ用のお金を両替してもらう。
・チップを渡す相手に「チップを渡したいけど細かいお金がありません。〇ドルのお釣りをもらえますか？」と聞く。日本人にとってはこんなことを聞くのはタブーなんじゃないかと思われがちですが、チップをもらえないよりちゃんと自分のサービスをちゃんと評価してもらえた事の方が断然嬉しいのでとりあえずお釣りを持っているか聞いてみましょう。

■チップが不要のサービスってナニ？

・タクシー
・公共バス
・サービスが悪く気分を害してもう二度と利用したくない場合
・オールインクルーシブホテルのレストラン、カフェ、バー
・レストランですでにお会計にチップが含まれている場合
※近年、チップを払わない（一部の国の）観光客が増えている為、請求額に事前に含んでいるレストランが増えてきています。お会計時に二重払いしないようご注意下さい。

■まとめ

日本人にとって馴染みのない文化ですのでどうしてもチップの理解に苦しみますが、その土地の文化に合わせることも旅の醍醐味です。チップ代も積み重なると結構な旅費になってしまいますが、そこは割り切って”幸せのお返し”という考えで気持ちよくチップをお支払い頂ければと思います。サービスを提供した側も受けた側もハッピーな気持ちにさせてくれるのがチップなんです。

※当案内は決してチップを強制しているものではございません。日本人の一部の方にとってはお気分を害される方もおられると思いますし、弊社としても非常にお伝えしにくいテーマではございますが、カンクンのリアルな事情をご理解頂きたく、このように記載させて頂いておりますことご理解頂けますと幸いです。