「メキシコ」と聞いてイメージする代表のものとして、サボテン、テキーラ、そして次に出てくるのが麻薬カルテルといった怖いイメージを持つ方がほとんどだと思います。実はメキシコといっても国土は日本の5倍の広さがあります。州によって治安のレベルは様々。今回はカンクンの治安レベルがどれくらいなのか、カンクンに10年以上に住んでいる在住者がリアルな現状を説明いたします。

 

■メキシコって銃社会?

メキシコは意外にも銃の使用および保持は禁止されています。その為アメリカのように一般人は銃を保持していない為、アメリカに比べて一般人による銃の犯罪率は低いです。銃による事件のほとんどはマフィアの抗争によるものでマリファナの売買に関与しなければ、一般人や観光客は銃犯罪に巻き込まれる事はありません。

 

■カンクンの危険区域はどこ?

例えばニューヨークのイーストハーレムのように、夜はもちろんのこと日中でも近づかないように!という危険区域はカンクンにはありません。あえて言うのであれば、ダウンタウンの外れへ行くと外国人は目立つのであまり行かないように!という位です。ホテルゾーンやダウンタウンのメインストリート「トゥルム通り」付近では観光客が沢山いますが、ダウンタウンの外れだとローカルばかりで外国人は目立ちます。特に日本人は体も小さく良いモノを持っているイメージがありますので引ったくりや強盗にとっては狙いやすいターゲットです。命の危険を及ぼすほどの犯罪にはならないですが、抵抗すると銃を突きつけられる可能性もあります。まずはそんな被害に合わないように観光客が少ないエリアには行かないようにしましょう。

 

■民泊は危険?

最近ではAirbnbのような民泊を利用してダウンタウンの外れの家に泊まる方がいます。格安料金でとても魅力的ですが、その反面とても不便で治安が悪いです。実際に民泊で寝ている時に強盗が入り、抵抗をした為に怪我をした日本人旅行者がいました。携帯や財布は盗まれ、体は打撲だらけ。民泊に泊まるならカンクンの土地に詳しいお友達の意見を聞いて予約するようにしましょう。

 

■カンクンで夜に出歩いても大丈夫?

ホテルゾーン、ダウンタウンのメインストリート付近では深夜に歩いていても大丈夫です。ただ日中に比べて夜の方が犯罪の確率は高まりますので、用事がないのであれば早めにホテルへ戻るようにしましょう。また出来るだけ狙われない為に男性と歩いたり、大人数で歩いたりするようにしましょう。泥酔しての外出は犯罪に巻き込まれやすく、また警察に公共の場でのアルコール飲酒と疑われ、検問・逮捕されることもありますので十分ご注意ください。カンクンでは、公共の場での飲酒は禁止されています。アルコールを保持して飲酒している場合は逮捕されますのでご注意ください。(但し、ホテルゾーンは例外です。)

 

カンクンで一番多い犯罪は?

引ったくりです。ナイトクラブで泥酔時に盗まれたり、バスやフェリーで居眠りしている間に盗まれたり、レストランで食事中に盗まれたりといった「知らないうちに盗まれる」という事が一番多いです。メキシコの他の州のようにタクシー乗車中や歩行中にいきなり銃を突きつけられるという凶悪な強盗事件はカンクンでは非常に少ないです。

 

■カンクンで一番引ったくりが多い場所は…

ホテルゾーンにあるナイトクラブ「ココボンゴ」です。ココボンゴは照明が暗く、音楽も大音量の中、沢山の人に揉まれて踊る環境です。男性は特にズボンのお尻ポケットに携帯を入れてると簡単に盗られます。また女性ウェイトレスに安いテキーラショットを飲まされ泥酔しやすいので飲みすぎにも注意しましょう。ココボンゴに行く場合は必ず最小限のお金を持参し、携帯は常時確認し、酔わない程度に楽しむようにしておきましょう。

 

■もし引ったくりに遭ったら…

絶対に抵抗はせずに潔く財布と携帯を渡しましょう。抵抗しなければほとんどの場合、危害を加えてくることはありません。もし少しでも抵抗するとナイフや銃を突き出してくる可能性があります。そしてそれは脅しではなく簡単に刺したり発砲してくるということを忘れないでください。

 

■引ったくりに遭わないためには?

・バッグは必ずチャックを閉めて持ち歩くこと。
・ズボンのお尻ポケットに財布や携帯を入れないこと。
・バスやフェリーでは寝ないこと。
・レストランやカフェではバッグを自分の目の届くところに置いておくこと。
・ナイトクラブやバーでは意識がなくなるまで酔わないこと。
・必要以上の大金は持ち歩かないこと。

 

■まとめ

カンクンの治安はメキシコ国内の中でも非常に高いレベルです。その理由はカンクンは観光業で成り立っている街だからです。治安が良くなければ観光客が来てくれないので警察の警備体制は非常にしっかりしています。例えば、観光客が滞在するホテルゾーンの各箇所にはパトカーが24時間配備していたり、ビーチを定期的に警官や軍隊が巡回しています。引ったくりに遭わないように貴重品をしっかり自己管理しておけば安全に旅行が出来る場所ですので安心してカンクンに遊びに来て下さい。ただし「世界一安全な国である日本とは違う」ということだけは常に意識するようにしてくださいね。